バンティング Buntuing

こんにちは。


静岡ではこの3連休で、大道芸ワールドカップという秋の一大イベントが行われていました。

私が小学生のころにはすでに開催されていましたが、当時はまだそれほど大きなイベントではなく、買い物や塾に行ったついでにちらちら見て歩けるような、アットホームな感じのものでした。

最近では大道芸人たちのクオリティーだけでなく、見る人の熱気もそのころとは比べ物にならないくらい高く、ワールドカップと呼ぶにふさわしいイベントになっています。


そんな大道芸をよそに、私は地元の神社で市に参加していたわけですが、私のお店は日本ではフリーマーケットなどでお馴染みのタープテントという、キャンプやバーベキューなどで使われるアウトドア用品を使用しています。


メーカーによって大きさ、色は様々ですが、仕様はほとんど同じで、日本のマーケットではこのタープが並ぶのが一般的な光景になっています。


雨や日差しをしのぎ、お店の区画をはっきりとさせる上では、とても便利なタープですが、カラーバリエーションも限りがあるし、ちょっと無個性なのが玉に瑕。


ということを最初から考えていたわけではないのですが、私はこのタープテントをバンティングと呼ばれる旗で飾っています。

日本では万国旗としても知られるバンティングは、私の記憶では小学校の運動会の定番、というイメージが強く、私と同世代か上の世代の方々も同じなのではないかと思います。

あの、何故か世界各国の国旗が連なって運動場を飾っていたアレです。


基本的な形は、三角にカットした布や紙を、リボン又はリボン状の紙に並べて付けていき、垂れ下がるようにした旗を指します。


大きさ、柄ともに様々で、とてもかわいいのがバンティングですが、私は単にかわいいから、という理由でこの旗をつけているのではありません。これがとてもイギリス的だと思い、タープテントのことを知る前から、絶対にバンティングでお店を飾ろうと思っていました。



このバンティング、イギリスでも同様に、パーティーの飾りや、お店のショーウィンドウの飾りとして使われているのですが、日本よりも使用頻度は格段に高く、なんとなくこれがあるとイギリスっぽいな、と滞在中も常に思っていました。



そうなった経緯はあまりよく覚えていませんが、私が時間を持て余していたのか、又は何か作りたいと相談したのか、ある日、ウェンディの勧めでバンティングを作ることになりました。


ホストマザーのウェンディは時間ができれば裁縫や編み物をやっていて、道具もアイディアも十分にそろっていたのもきっかけだったかもしれません

マーケットスクエアにあった端切れ屋さんで、£1以下で売られていた布とリボンを買ってきて、ちまちまと三角に切ってミシンで縫い合わせてできたバンティングは、ほとんどフリーハンドで作った、味のあるかわいらしい個性的なものに仕上がりました。


今使っているバンティングは、その時のものではありませんが、これは絶対かわいい!と確信したのを覚えています。



さて、最近では名前こそバンティングではないものの、100均などでも手に入る”ちょっとした飾り”として親しまれているバンティングですが、なぜそんなにもイギリスっぽいと感じたのでしょうか?

世界中どこにでもあるものなんじゃないの?と思ったあなた。


バンティングは、そもそもイギリスが始まりという説があるのをご存知でしょうか?



そうなんです。

じつは、イギリス生まれだったんです。



1600年代。イギリスでバンティング(buntingまたはbunt)といえば、ある特定の布地を表す言葉でした。

Tammyとも呼ばれたそれは、フランス語の軽いウールでできた布地を指す言葉からきており、主に軍旗など、旗を作るのに使われていました。


国旗や校旗などの旗は、通常、朝上げて夕方下ろす、という作業が今でも行われていると思います。

バンティングも当初は同じように普通の旗として使われていました。

それが100年ほどの間に、軍関連の式典などの時に、ユニオンジャックの模様や色で会場を飾るために使われるようになります。

これは当然イギリス女王のジュビリーの時や王室の結婚式の時にも使われ、そこから一般に広まっていったものと思われます。


また、旗にはいろいろな種類があり、国旗や校旗など、1枚で使用するものをシングルフラッグと言います。

それとは別に、小さな旗を連ねていく連続旗というものもあり、調べてみたら日本ではガーランドと呼ばれているんですね。



というわけで、今日は唐突にバンティングのお話でした。


ちなみにとっても簡単なので、もし少しでも裁縫をする余裕のある方は、ぜひ手作りしてみてください。

自分の好きな色、サイズ、形状で作れるので、お店で買うよりも断然おススメです。



用意するもの

・必要な長さのリボンまたは細長く切った紙(結ぶことを考慮して測りましょう)

・お好きな柄の布地(厚くないものがいい)または少し厚めの紙

・旗の形の型紙(お好きなサイズ、形で)


作り方

1)裏表のある布を使う場合は、型紙通りに切った布を縫い合わせます。この時、縫い目が出る、出ないは全くお好みです。例えば縫い目を表にして端をギザギザにカットするなどしてもかわいいと思います。リボンに縫い付けるので、旗の上部は縫い合わせる必要はありません。

裏表のない布の場合は縫い合わせる必要がないので、型紙通りにカットしてそのまま使いましょう。

紙を使う場合も同様です。


2)必要な枚数の旗を作ります。リボンの端は、縛る場所を考慮して30-50cm残しておきます。旗の間隔はお好みで、ピッチリくっつけてもいいし、余裕をもって離してもかわいいです。


3)旗をリボンに縫い付けます。幅広のリボンの場合は、リボンを半分にして、間に旗を挟むようにして塗っていきます。この時糸の色もリボンに合わせたり、逆に目立つような色にしたり、いろいろと応用が可能です。こうして作ったバンティングは裏表がないので、どこにでも気兼ねなく飾ることができます。

リボンが細い場合は旗を挟めないので、そのまま縫い付けていきます。合わせる糸によっては、ジグザグ縫いをしたり、線がたくさん見えるようにわざと何回も縫ったりしても面白いです。

この場合、リボンの見える側が表になります。壁などに飾る場合は裏は関係ないので、こちらの方が簡単に作れ、お勧めです。

紙の場合は、ノリなどで張り付けてもいいし、かわいい色のホッチキスで留めてもかわいいと思います。



大雑把な作り方ですが、本当にこんな感じでかわいいバンティングが作れます!

布も、すべて柄を合わせてもいいし、大きな布をランダムにカットしても、違う布を使ってもかわいいです。


ぜひ一度お試しください!

British bake on

イギリス留学中に出会った、イギリスの伝統的な焼き菓子、ローカルビレッジの家庭のお菓子をメインに紹介するブログです。

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