こんにちは、玉井です。
今日は先週に引き続き、スコーンの話をしたいと思います。
イギリスではどの家庭にも家族伝来、またはそれぞれお気に入りのオリジナルレシピがあり、女の子が最初にお母さんと一緒に作るお菓子がスコーン、と言われるほど、本当に家庭的で伝統的なお菓子ですが(多少の偏見と固定観念はありますが、事実でもあります)、ウェンディーの家ではお菓子としてのスコーンは最後まで一度として作ることはありませんでした。
子供たちがスコーンよりもプディング(デザートとしてのケーキなど)のほうが好きだからというのもありますが、ウェンディーのうちではスコーンはスープと一緒に食べるもの、つまりおやつではなく夕飯の時に出されるものの一つだったのです。
子供たちに野菜を取らせたい、という思いから、ウェンディーはよくスープを作りました。イギリスで一般的にスープというと、たいていはポタージュスープを指します。都会の高級レストランなどではどうかわかりませんが、田舎のカフェや小さなレストランではスープというメニューの後にいくつかの材料(たいていは野菜)が書かれていて、その食材をメインにしたポタージュスープであることがわかります。
そのつけ沿いとして出されるのがバゲットやセイボリースコーンにです。私はこのスープとスコーンの組み合わせが大好きで、よく昼ご飯に食べていました。
スープとスコーンだけで足りるの?と思われるかもしれませんが、このスープ、ものすごく重たいんです!具だくさんの野菜スープをブレンダーでポタージュにしてあり、カップ一杯でおなかいっぱいになること請け合いです。
さて、ウェンディーの食卓でもスープのお供はたいていバゲットかチーズスコーンでした。
熟成チェダーチーズをふんだんに使った彼女のスコーンは本当に美味しくて、幾ら食べても飽きない味でした。
もし帰国してティールームをオープンしたら、絶対この組み合わせのメニューを作ろうと、スープの日はウェンディーに付きっきりで材料をメモしていたことを覚えています。もちろん今でもこの夢は継続中です!
今日私が紹介するレシピはこのチーズスコーンになります。
残念なことに、私は帰国後このレシピで同じスコーンを焼けたことがありません。
雰囲気もあるのでしょうが、イギリスではスーパーで買うチーズすらそこそこおいしいのが普通のこと。日本のスーパーではいまだに“ナチュラルチーズ”と呼ばれる正体不明のチーズが幅を利かせており、最近ではちゃんとしたチーズを扱っている店も増えましたが、小さな塊を買うのにすら1000円近く払わなくてはならない事もしばしば。熟成チェダーチーズを思いっきり使ってでるあの味を気軽に作るのは、なかなか難しいのかもしれません。
使うチーズはせめてチェダーチーズと書かれているものを使用してください。
チーズスコーン Wendy’s cheese scones
薄力粉…225g
ベーキングパウダー…2tsp
無塩バター…50g、小さなキューブ状にカットし、よく冷やしておく
牛乳…150mL、生地の出来合いによって量を調整する
チェダーチーズ…110g、卸してから一部をトッピング用に別にしておく
パプリカパウダー…およそ3tsp、トッピング用
①小麦粉とベーキングパウダーにバターを入れ、指先ですりつぶすようにして混ぜる(lab in)。
②粉チーズ状になったら、中心をくぼませて牛乳を入れ、ディナーナイフなどで切るように混ぜる。軽く混ざった時点でチーズを加えて混ぜる。
③指で軽くひとまとめにしたら粉を振った台の上に出し、指先で軽く捏ねる。
④2-2.5㎝の厚さに伸ばし、お好きな大きさのカッターで抜く(私は5㎝の丸いカッターを愛用)。スコーンの上に、取り分けておいたチーズを少しずつ置き、パプリカを振りかける。
⑤220℃に予熱したオーブンで、10分ほど焼く。
チーズスコーンはスープに浸して食べると本当においしいです!
セイボリーなので、クロテッドクリームとジャムではなく、バターとチャツネなどでお召し上がりください!
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