ダッチアップルケーキ

こんにちは。玉井です。

寒の内に入って寒さも一段と厳しくなりました。と言っても私の住んでいる地域は他とは比べ物にならないくらい温かいとは思うのですが、それでも暖房は欠かせなくなりました。


今日ご紹介するケーキはウェンディーのベーキングノートにあった“ダッチアップルケーキ”です。


冬の果物と言えばリンゴ!

イギリスにもそのまま食べる甘いリンゴから調理用の小さくて酸味の強いリンゴまで、様々なリンゴがあります。

私の滞在していたデボンでは、リンゴを使ったアルコール飲料 サイダー(Cider)が有名で、ビールの飲めない私は、パブに行けばもっぱらサイダーでした。



さて、イギリスには現在およそ3000の異なる品種のリンゴが栽培されているそうです。


その歴史は意外に古く、イギリスで最初にリンゴに関心を抱いたのがアルフレッド王で、885年ごろと言われています。

11世紀になるとフランスからいくつかの品種改良されたリンゴが紹介され、13世紀ごろにはイングランドの各地でカスタード(Costard)という品種のリンゴが栽培されるようになりました。

その後ばら戦争などの勃発によってリンゴの生産は低迷しますが、16世紀のヘンリー八世の時代には新しい品種の栽培に取り組んだりと、精力的に生産を行うようになりました。この時代にフランスでは品種の開発が盛んにおこなわれていたようで、赤い皮のピピン種(Pippin;通常はグリーンアップル)が紹介されましたが、チューダー朝のイギリスでの人気種は真っ赤なクイーン(Queene)だったようです。


お菓子作りでよく使われるブラムリー(Bramley)などのいわゆるクッキングアップルは、19世紀の終わりごろになってようやく品評会で紹介されるようになりました。元々の起源はわかっていないようですが、記録されている限りでは1809年ごろに栽培され始めたと言われています。


そもそものリンゴの起源を考えると、リンゴは人類の歴史の最初から存在しており、あるいは有史以前、8000年以上の歴史があるのではないかと言われているようです。

ヨーロッパで生産が盛んになったのが17,8世紀、日本での栽培は19世紀ごろ。それ以降、イギリスだけでなく多くの国で数多くの品種が生産されるようになりました。

日本ではどちらかと言えばそのまま生で食べることを目的とした、甘くてシャキシャキした食感のものが多いように感じます。それはそれでおいしいのですが、イギリスでは先に紹介したサイダー用や調理用のリンゴも数多くあります。そして各地でその土地のリンゴにあった食べ方があるようです。


イギリスでリンゴのお菓子と言われて最初に私が思いつくのは、アップルクランブル。いずれここでも紹介しますが、シナモンなどで風味付けしたリンゴの上に、クランブルと呼ばれる小麦粉とバターと砂糖のぽろぽろした生地をのせて焼く、簡単でほっこりとおいしいお菓子です。

他にもアップルパイ、アップサイドダウンケーキなどありますが、頭に地名を持ったアップルケーキもたくさんあります。例えば、ダッチアップルケーキ、フレンチアップルケーキ、ジャーマンアップルケーキ、ドーセットアップルケーキ、ニューイングランドアップルケーキなどなど。

今日ご紹介するダッチアップルケーキは、もともとはFive-a-Day Fruit & Vegetable Cookbookという、野菜と果物をメインにしたちょっと古いレシピ本から持ってきたものだそうです。8インチティン(約20.5㎝型)で焼いたボリューム満点のシナモン生地のスポンジに、小さなリンゴをスライスしてずらっと並べたこのケーキは、冬のお茶の時間のお供に最高です!


ダッチアップルケーキ Dutch apple cake


〈ケーキ生地〉

バター…50g(溶かす)

カスターシュガー…130g

卵…2個

牛乳…150g

セルフレイジングフラワー…250g(小さじ中山盛り2杯のベーキングパウダーと合わせて250gにする)

ベーキングパウダー…2tsp

シナモンパウダー…1,1/2tsp


〈トッピング〉

スィートアップル(小)4等分し、皮と芯を取り除いて薄切りにする。

デメララシュガー

シナモンパウダー


①8インチ型(約20.5㎝型)に油を塗って紙を敷いておく。オーブンは200℃に予熱する。

②溶かしたバターと砂糖をよく混ぜる。

③卵と牛乳を一緒によく混ぜておき、②に加える。

④小麦粉、ベーキングパウダー、シナモンを加え、よく混ぜる。

⑤型に流し込み、あらかじめスライスしておいたリンゴを外側に少しずつ重なる様に並べる。最後にデメララシュガーを、リンゴのない部分を中心に、リンゴの上にもかかるようにして散らし、その上からシナモンを振りかける。

⑥200℃のオーブンで約50分焼く。


デメララシュガーは日本では普通には購入できないので、私はよくブラウンシュガーの粒子の大きいものを使っています。粒子が大きいのでてんさい糖などで試したこともあります。

このレシピではクッキングアップルではなく甘いリンゴを使っているので、日本のほとんどの品種で対応できると思います。

ぜひお試しください!

British bake on

イギリス留学中に出会った、イギリスの伝統的な焼き菓子、ローカルビレッジの家庭のお菓子をメインに紹介するブログです。

0コメント

  • 1000 / 1000