クリスマスケーキ Christmas cake


メリークリスマス、玉井です。


クリスマスを家族と過す人も恋人と過す人も、はたまた一人で過す人も、すべての人に素敵な一日が訪れますように!

たいていの日本人と同様、私は仕事です!


さていよいよクリスマス本番ですが、イギリスでクリスマスの定番のメインデザートといえば、暗い中を青白い炎に包まれてムード満点に運ばれてくるクリスマスプディングや切り株を模したユールログ(yule log、フランスのブッシュドノエル)などが有名ですが、私にとってのクリスマスケーキはドライフルーツをふんだんに使い、マジパンとフォンダンでコーティングした伝統的なフルーツケーキベースのクリスマスケーキです。


以前もお伝えしたように、イギリスでは最近、このフルーツケーキが好きではない、という人も増えており、イギリス人の誰もが食べるお菓子というわけではないのですが、それでもクリスマスシーズンが始まるとこの伝統的なフルーツケーキを焼き、長いとひと月ほど保存・熟成させてからクリスマスに頂く人たちも少なからずいます。


私のクリスマスケーキはニック直伝のもの。バターを極力使いたくないニックも、このケーキに関してはこれが一番!とレシピを変えることなく、毎年このケーキを作っては友人にプレゼントしているそうです。


残念ながらウェンディーの子供たちはフルーツケーキがあまり好きではなかったので、私たちは大人だけで楽しみましたが、ドライフルーツが大好きな私にはこれ以上ないほどのデザート。とてもおいしくいただきました:)



この時期になると思い出すのは、クリスマスのお菓子だけでなく、トットネスのメインストリートで毎週火曜の夜に開かれていたクリスマスマーケットもその一つです。トットネスは小さな町ですが、観光地でもあり、12月に入るとマーケット目当ての観光客でにぎわいます。

特に火曜夜はこの町にこんなに人がいたのか!と思うほどの人がメインストリートに集まり、興奮した人たちでにぎわいました。マーケット自体はそれほど遅くまではやっていないのですが、私はその時期、メインストリート沿いの通りに面した部屋に住んでいたので、パブで酔っ払った人たちや興奮した子供たちで深夜までうるさいこともありました。

小さな町なので、通りを歩いていると学校の生徒や友人、知人に何度も出会い、田舎町ならではの経験をしたのもいい思い出です。


学校はクリスマスと年始を含めて2週間ほど、クリスマス休暇に入ります。

その休暇を境に、わたしのホストファミリーはウェンディーに変わりました。これはエージェントをほとんど使わずに留学した結果の私のミスだったのですが、もしそのまま同じホストファミリーのところに留まっていたら、クリスマスは通りを見下ろしながら一人で過ごしていた(最初のファミリーはクリスマスを息子家族と過ごす計画だったため)と思うと、結果オーライどころか、ここから私のベーキング留学が始まったと言っても過言ではないほどの変化でした。

新しいホストファミリーとは暮らし始めてすぐのクリスマスだったので、私のクリスマスプレゼントは家族全員向けにチョコレートをひと箱だけ。

それでも地元の人たちに倣って、自分でラッピングして手作りのカードを添え、クリスマスツリーの下にドキドキしながら置いたことを覚えています。


それに対して、家族からの贈り物は、チャリティーショップで購入した自分で記入するタイプのレシピ本をでした。お菓子好きを公言していたので、ものすごく感動した瞬間でした。


え、チャリティーショップで?と思われたあなた。確かにチャリティーショップは中古品を売っているお店ですが、ここでプレゼントを購入することは、イギリスではごく当たり前のことです。

チャリティーショップにはいらなくなった服や小物、本や食器がたくさん並び、中には亡くなった祖母の荷物から出てきたなどといったアンティークなども安く売られています。チャリティーショップごとに何に使われるのかコンセプトが決まっていて、例えば心臓に病気を持つ子供へ、動物愛護協会へなど、寄付する側は自分の興味のあるチャリティーに貢献できるわけです。

買う側は何のチャリティーかまではあまり気にしませんが、それでもそこで買うことによって社会貢献できますし、また古いものを貴ぶイギリス人の気質がセカンドハンド品つまり中古品に対して悪いイメージがない、使わない人が寄付して使う人が買う。ただそれだけのことなんですね。

どこで買うか、いくらで買うかよりも、その人が本当に喜びそうなものを時間をかけて探すということに重きを置いたとき、それがチャリティーショップだろうと正規店だろうと、新品だろうと中古品だろうと、大した違いはないということですね。


私は日本に帰ってきて、こういった中古品を扱う店やチャリティーショップの少なさにショックを受けました。日本人は世界の中でも募金をしない国民性だということを何かで聞きましたが、イギリスでは寄付や募金が普段の生活に組み込まれていることがとても興味深く、また合理的だなぁと感心してしまいました。

ちなみにチャリティーショップのものに限らず、セカンドハンド品をビンテージと言います。日本人的にはこちらの呼び方のほうが感じがいいかもですね。


さて、話はだいぶクリスマスからそれてしまいましたが、これからも少しずつ、私が感じたイギリスを出していけたらと思っています。

イベントごとの逸話もたくさんあるので、楽しみにしてくれると嬉しいです。


最後に、今日のレシピをご紹介します。


ニックのクリスマスケーキ Nic’s Christmas cake

*注意*このレシピはニックに教わったものをそのまま載せています。挑戦する方は私と一緒に試行錯誤してみてください。


無塩バター…125g

カスターシュガー…125g (ニックは砂糖を入れないことが多い)

クッキングアップル(小)…2個弱

アーモンドパウダー…適量 (…気が付いた時には加えられていました。おそらく30gほど)(どんなナッツでも使用可。アーモンド、ヘーゼルナッツがより伝統的)

卵…2個

スパイス…好きなだけ (ニックはスパイス、特にシナモンが大好きで、時には1つのケーキに1瓶投入したことも…)(ナツメグ、シナモン、クローブなど)

ベーキングパウダー…少々 (ふんわりとした見た目にしたい人は。ニックは加えていませんでした)

セルフレイジングフラワー…等量 (季節のケーキを教わるときの難点は、繰り返しが少ないこと。この等量はおそらくバターと、という意味です。なので125g)

ドライフルーツ…全体の半量 (これはケーキバター全体の重量の半分ほどという意味)(レーズン、ソフトプルーンなどのドライフルーツをモルドワイン、アップルジュース、ラムなどのアルコールをひたひたになるまで加えて、最低1晩置く。アルコールはなんでも可。多めがおいしい。)


これは私が再現したいから、と念を押して教えてもらったレシピです。これでも頑張ってメモしたんです。続いて工程です。覚悟はいいですか?

ミキシングの道具は木のスプーンです。


①バターをクリーム状にする。砂糖を加えて混ぜる。

②よくといた卵を、すこーしずつ加えて、その都度よく混ぜる。

③粉類をふるいにかけ、加えて合わせる。

④ドライフルーツに小さめに刻んだリンゴを加えて混ぜ、③に加えて優しく混ぜる。

⑤(この時は)サンドイッチ型に入れ(直径25㎝?)、170℃で串を刺してバターが付いてこなくなるまで焼く。

⑥型から外し完全に冷めたら、マジパンを薄く延ばしてケーキにかけ、その上からフォンダンでコーティングする。飾りをつけて出来上がり!


出来上がりましたか(笑)

このケーキはクリスマス以外にも、バースデーケーキやバレンタインケーキの土台としても使われます。ただ、リンゴやクリスマスらしいスパイスが入るので、やはりクリスマスシーズンかせめて寒い時期のケーキとして楽しみたいと個人的には思っています。


歴史や云われよりも、思い出話がメインの記事になってしまいましたが、楽しんでいただけたら幸いです!


Mary Christmas, again!!

British bake on

イギリス留学中に出会った、イギリスの伝統的な焼き菓子、ローカルビレッジの家庭のお菓子をメインに紹介するブログです。

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