こんにちは、玉井です。
クリスマスまであと1週間と少しですね。
今日は先週ご紹介したミンスミートを使った、ミンスパイについてです。
歴史については前回お話ししたので、今回はミンスパイとクリスマスに関するエピソードのお話をしようと思います。
イギリスでクリスマスのお菓子と言えば、ミンスパイのほかにもジンジャーブレッドマンやクリスマスプディングなど、いろいろありますが、最近では伝統的なものにこだわらず、日本でも見られるようなチョコレートやクリームを使ったケーキを好む人たちも増えてきました。
私が滞在していたのは、メインストリートが1本しかない小さな町でしたが、そんな田舎町でも、最近ではドライフルーツをたっぷり使った昔ながらのフルーツケーキをベースにしたクリスマスケーキは敬遠されがちで、わざわざ作って食べないし、買うなら好きなケーキを、という家庭も多いようでした。
しかし、そんな中でもミンスパイの人気は根強く、ミンスパイはクリスマスシーズンになればどの家庭のテーブルにも置いてある、と言われるほど、子供も大人も大好きなお菓子の一つです。
そんなクリスマスシーズンならいつでもどこでも、手軽に食べることができるミンスパイですが、実は子供たちにとってなくてはならない存在でもあります。
それは、クリスマスイブの夜限定の重要な役割。
ミンスパイは子供たちがサンタクロースとトナカイにあげる贈り物の一つなのです。
サンタクロースはクリスマスイブに世界中を回って子供たちにプレゼントを配ります。
そのねぎらいのために、子供たちはサンタクロースが下りてくる暖炉の前に、ミンスパイとワイン、トナカイ用にニンジンを置いておくのです。
朝になると、ちょっとずつ(もちろんサンタクロースはすべての子供たちから贈り物をもらっているので全部は食べられません)かじられたミンスパイたちがちょっと散らかって置いてあるのを子供たちが見つけ、それからクリスマスツリーの下にサンタさんからの贈り物を発見するわけです。
私がいたウェンディーのお家でも、イブの夜、アルフレッドが私の手作りのミンスパイとワイン、ニンジンをかわいらしいお皿にのせて暖炉の前に置きました。
暖炉のすぐそばにはプレゼントが山盛りのクリスマスツリー。
暖炉は本物ではなくてガスヒーターを暖炉に模したフェイクでしたが、それでも雰囲気抜群のクリスマスでした。
今では日本のように無宗教の人たちも増えて、夜や朝のミサに参加する人たちも減ってきているイギリスですが、それでもこんなかわいらしい風習が残っているのを目の当たりにできて、とても新鮮な気分でした。
なんだか絵本の中にいるような不思議な感じがしました。
ちなみに、私が手作りしたミンスパイは、ほぼビーガンの語学学校の先生、ニックと一緒に作ったもので、通常思い浮かべるミンスパイとは姿形が全く異なるものです。
下に写真を貼っておきますが、言われなければミンスパイとは誰も気が付きません。
でもかわいいでしょ?
なぜニックがこのかわいいミンスパイを作っているかと言えば、簡単に言えば道具がなくてそのほうが楽だからです(あと単純にかわいいので)。
イギリス伝統菓子を教わりたかった私からしたらショックでしたが、イギリス人らしい合理主義と物事にあまりこだわらない性格が如実に表れていて、私が初めは嫌いだったニックをだんだん好きになった理由はここにあります。
まあそれはそれとして、日本人としてはやっぱりちゃんと伝統的なミンスパイを作りたいですよね。
ということで、今日のレシピはスイートショートクラストペストリーです。
余った生地でジャムタルトを作ってもおいしいですよ!
スイートショートクラストペストリー Sweet shortcrust pastry
薄力粉…175g
無塩バター…75g
カスターシュガー…25g
塩…ひとつまみ
卵…1個
①小麦粉、砂糖、塩をボウルに入れ、小さめにカットしたよく冷えたバターを加えて指先ですり合わせるようにして混ぜる。
②粉チーズのような状態まですり合わせたら、よくほぐした卵を加え、ディナーナイフで切るようによく混ぜる。
③生地がまとまり始めたら、指でつかむようにしてひとまとめにする。(捏ねすぎないように注意すること。)
④まとまった生地をラップで包み、最低1時間冷蔵庫で休ませる。
使用するときは2㎜ほどの厚さに伸ばして型抜きします。ミンスパイの場合、180℃(ガス)で12分ほど焼いてください。
上にのせる飾りはなんでもOK!星形が定番ですが、ヒイラギの葉や天使、シンプルな丸など、様々です。
同じ生地でできるジャムタルトは、ミンスミートの代わりにジャムをぬって焼いたものです。こちらもおいしいのでお勧めです!
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