ドリズルしよう! Let's DRIZZLING!

こんにちは!


まずはじめに、今日はレシピはありません。


というのも、今日のテーマは「ドリズルしよう!」だからです。


なんのこっちゃって思われるかもしれませんが、私が思うところ、イギリス人はドリズルするのが大好きなんです。


特に統計を取ったわけでも調べたわけでもないので、今日の話題は完全に主観でほぼ固定観念ともいえるのですが、ちょっとだけお付き合いください。


”ドリズル”といえば、最初に思いつくのがレモンドリズルだと思います。

言うまでもなく、レモンのシロップやジュースを染み込ませた、甘酸っぱくておいしいケーキです。


私の工房で作るお菓子の中でも1,2を争う人気のお菓子で、私はいつも端っこをつまむのを楽しみにしています。


レモンドリズルというケーキは、この名前でイギリス菓子として確立しているものなので、例えばBBCのレシピのページを見ても、グーグルで検索してもみても、たくさんのレモンドリズルが見つかると思います。



で、問題のドリズルなんですが、

私はThe great British bake off(以下GBBO)というTVプログラムが大好きなんで、イギリス滞在中よく見ていたのですが、そこで”ドリズルしたケーキ”が課題の日があったんです。


以前にもご紹介したと思いますが、このGBBOという番組は毎年行われている素人向けのベイキング・コンペティションで、このコンペで優勝、または目覚ましい活躍を見せると、その人の将来にものすごい影響を与えるという、製菓業界で生きていないホームベーカーには夢のような番組なんです。


例えば、ある年の優勝者は、その年のエリザベス女王の誕生日のケーキを作っていました。また、優勝はしなかったものの、面白い発想で番組を沸かせた男性も、ダライ・ラマ法王の誕生日のケーキを作っていました。

もちろん両方とも「公式に」です。


多くの参加者がレシピ本を出版していますし、製菓学校でコースを担当したり、自分のお店を開いたり、料理研究家として有名になっている人もいます。


内容は毎年同じで、ただ課題として出されるお菓子(時には料理もする)に違いがあります。

開催時期はイギリスの夏。ナショナルトラストなどに指定されているような公園やお屋敷の庭に巨大なテントを立て、そこにイギリス全土から12ないし13人の選ばれたアマチュア・ホームベイカーが、週末2日を使って、毎週3つの課題にチャレンジします。

そして週ごとにその週のスター・ベイカーと脱落者が選ばれ、最終的に3人になるまで続きます。



というように、当時お店を持つことを夢見ていた私には、本当にあこがれのTVプログラムだったのです。

帰国後BBCが正規ルートでは見られないため、イギリスのiTunesストアで番組を購入。

シリーズを通しで見ていてたときに気が付いたのが、”ドリズルケーキ”についてです。


”ドリズルしたケーキ”という課題が出て、ぱっと思いつくのはやっぱりレモンドリズルだと思いますが、よく考えると液体を染み込ませればなんでもドリズルケーキと言えるので、それこそスコーンと同じように、天文学的な数の可能性があるわけです。



ではどんなケーキが登場したか?


実のところ、挑戦者の半分くらいは、クラシックなレモンのケーキか、または少しひねってオレンジなどの柑橘系を使ったりだったと記憶しています。

中でも面白いなと思ったのは、グレープフルーツを使ったもの。理由は旦那さんがグレープフルーツが嫌いだけど、このケーキは大好物だから。

これをアイディアに、私の甘夏ケーキは出来ました。


あとは、スパイスを使ったものが少なからずあったでしょうか。


イギリスやヨーロッパに限らず、西洋の国の人たちは、本当にスパイスの使い方が上手ですよね。

日本でも和スパイスがいろいろな料理に使われていますが、スーパーのスパイスの棚を見比べてもわかるように、本当に日常的で、特別ではなことなんですよね、スパイスを使うのが。


スパイスがうまく使えるようになったら、もっと私のお菓子の可能性も広がると思うのですが、これはまた別の話。


ということで話を戻して。


ドリズルケーキの回で一番衝撃的だったのは、少なくとも2人以上がアルコールを使っていたこと。

確かに、日本でもお酒をスポンジに染み込ませるケーキはたくさんあります。

でもそれはあくまでも風味を与えるため、というか、決してそのアルコールがケーキの味そのものになる、というわけではないと思うんです。


一方、ドリズルケーキでは、この一番最後に何の液を染み込ませるかで、そのケーキの味や食感が変わってくるわけです。


アルコールを掛けたら、アルコール味のケーキになっちゃうんです。

ものすごい衝撃でした。

もちろんそのままドバドバとかけるわけではないのですが…。


一番よく使われていたのはジンです。ジンはもともとハーブの香りがかぐわしい、私も大好きなお酒です。

私もいつかジン・レモン・ケーキなんか作ってみたいと思いますが、え!?いやそれはないでしょ!と思ったのが、ギネスを使ったもの!

これは正確にはドリズルケーキではなく、カップケーキのアレンジだったのですが、染み込ませていたのは一緒です。


それにしても


ギネスですよ!


ビールです!


万人受けでないうえ、あのビール独特のにおいがするわけです。



私がイギリス人はドリズルケーキが好きだと思う理由は実はここにあります。


つまり、ギネスが好きならギネスを飲んだらいいじゃん!

なんでケーキにかけたの???



というわけで、今日はここまでです。


みなさんもぜひ、ご自分の大好物で液体にできるものをドリズルしてみましょう!

Let's DRIZZLING!!!

British bake on

イギリス留学中に出会った、イギリスの伝統的な焼き菓子、ローカルビレッジの家庭のお菓子をメインに紹介するブログです。

0コメント

  • 1000 / 1000