Happy pancake day!!
おはようございます、玉井です。
パンケーキ・デーという日をご存知でしょうか?
その名の通り、パンケーキを楽しむ日です。
2016年2月9日火曜日、私は学校とウェンディーの家でこの日を祝いました。
なぜ特別この日を祝うのか?なぜパンケーキなのか?これからその歴史について、少しお話ししようと思います。
まず最初に、パンケーキ・デーとはキリスト教の宗教的な行事の一つです。
この日は懺悔の火曜日(Shrove Tuesday)、パンケーキの火曜日(Pancake Tuesday)としても知られており、レント、四旬節とキリスト教で呼ばれている期間の直前の火曜日を指します。そのため毎年日にちが異なり、今年は3月5日、今日がそれに当たります。
ここでいうキリスト教徒は、カトリック教会などの西方教会(ローマ・カトリック教会、プロテスタントなど)を指します。
復活祭の46日前の水曜日から復活祭の前日までの期間をレントLentといい、この期間、伝統的には食事の節制と祝宴の自粛が推奨され、祈りと断食、慈善を行うことで悔い改めを表明する、とされていました。
この長く厳格な断食の期間、人々は卵、バター、小麦粉など、すべてのぜいたく品を節制しなくてはなりませんでした。
そのためこのパンケーキ・デー、懺悔の火曜日に人々は家にあるすべてのぜいたくな食材を使い切る必要がありました。
パンケーキはご存知の通り、小麦粉、卵、牛乳、少量のバターで作るので、これらの食材を使い切るのにはちょうどいい料理だったというわけです。
ある資料では、この日はレント前に贅沢をする最後のチャンスだった、ともありました。贅沢な食材で作るわけですから、パンケーキ自体も贅沢な料理だったのでしょうか。
現在では、キリスト教でないイギリス人は大勢います。特にどこにも属さない無宗教の人たちもかなりいるようです。また、レント自体も昔ほど厳格なものではなく、この期間に悔い改めをするイギリス人はどのくらいいるでしょうか。
それでもイギリス人の多くがいまだにこの日にパンケーキを作って楽しんでいます。中には甘いものやお酒、たばこなど、大好きなものや止めるのが難しい習慣を節制しようと挑戦する人たちもいます。
実は私もこの期間、大好きでおなかを壊すまで食べてしまうナッツ類を断念していました。
46日という期間は、長いようでいてゴールが見えているので、ちょっとした節制にはちょうどいいように思います。
また、私のいた地方では行われていませんでしたが、イギリスではこの日にパンケーキ・レースが開催される土地もあります。
ルールはその地方によって少しずつ違うようですが、レースの最中に温かいパンケーキを最低3回は宙で返す(tossing / flipping)必要があるようです。
派手に着飾ったりドレスアップしたりする女性もいるようで、一見の価値ありかもですね。
私はウェンディーたちと伝統的な(?)パンケーキ・デーを祝いましたが、学校でも授業の一環として、生徒と先生全員でパンケーキを作りました。
学校にはその時期、日本人、ドイツ人、サウジアラビア人しかいなく、人数も10人ほどだったので、各国のパンケーキを比べよう、ということになりました。
残念ながらサウジーたちは食べるだけでしたが、私たちは日本式、イギリス式、ドイツ式のパンケーキの作り方を比較し、食べ比べをしました!
ということで、今日はイギリスのパンケーキに加えて、ドイツのパンケーキもご紹介したいと思います。
ちなみに日本版は私が作りましたが、ホットケーキミックスもレシピもなかったので、クックパドを参考にしながら作りました。
イギリス式パンケーキ British pancakes
薄力粉…110g
塩…1/4tsp
卵…1個
牛乳…275mL
①小麦粉と塩を混ぜておく。中央にくぼみを作り、くぼみに卵を入れ、少量の牛乳をくわえてほぐす。その後牛乳を少しずつくぼみに足していき、周りの小麦粉を少しずつ崩すようにして混ぜていく。
②フライパンにオイルかバターを薄くひく。少し厚めのクレープになるように生地を入れ、片面が完全に乾くまで焼き、ひっくり返して反対も焼く。
伝統的に、イギリスではパンケーキにレモンジュースと砂糖を振りかけ、ロールケーキのように丸めてフォークとナイフを使って食べます。
でも基本的には何を塗っても大丈夫!ジャムなどを塗ってもいいですし、私たちは余ったパンケーキにゆでたホウレンソウとリコッタチーズをのせて巻き、オーブンで焼いて夕飯に食べました。
見た目はクレープのようですが、日本のクレープのようにクリームやフルーツ、チョコレートなどをゴテゴテと入れて食べるようなことは少なくともイギリス、ドイツ、フランスではありません。
確か香港や韓国では日本と同じようにして食べると聞いたことがあるので、あれはアジア特有の食べ方なのでしょうか。(違っていたらすみません。)
パンケーキを作るとき、子供のいる家庭ではたいていtossingやflippingを楽しみます。どちらもフライパンを振ってパンケーキを宙返りさせることで、アルフレッドは今年初挑戦し、見事に成功させていました!
ドイツ式パンケーキ German pancakes
薄力粉…350g
牛乳…300mL
卵…2個
砂糖…山盛り2tsp
塩…二つまみ
スパークリングウォーター…a large splash(訳すとざばっと水を入れる、ということなんですが、100-200mLほどだと思います。)
①水以外のすべての材料を、スムーズになるまで混ぜる。
②水を加えて丁寧に混ぜ、冷蔵庫で少し休ませる。
③フライパンにベジタブルオイルを薄く引き、片面ずつ焼く。
このレシピは、クラスメイトのラファエルが教えてくれたものです。彼は私と同い年のドイツ人の家具職人で、細かい部分とあいまいな部分の差が大きく、ちょっとよくわからない部分もあったのですが、何とかレシピにしてみました。
ドイツでも基本的な食べ方はイギリスと一緒で、(レモンジュースと砂糖はありませんが)ぬったりのせたりするもののバリエーションが少しだけ豊かになっています。
例えば、おやつとして食べるならヌテラやシナモン&シュガー、ジャムなど、おかずとしてならサラミ&モッツアレラが人気のようです。
イギリスのものより少し厚みがあるのと、スパークリングウォーターを使うのが特徴でしょうか。
上の写真は食べ比べの様子です。
この時はスーパーで売られているものも食べました。左のが売られているもの、上がドイツの、右側の大きいのがイギリスのものです。
蛇足ですが、この日に私が紹介した日本のパンケーキのレシピも載せておきます。
このレシピはクックパッドを参考に、自分好みにアレンジしたものです。
私流日本式パンケーキ Japanese pancakes
薄力粉…150g
ブラウンシュガー…40g
ベーキングパウダー…2tsp
溶かしバター…15g
卵…1個
牛乳…150mL
①粉類と液体類をそれぞれ別のボウルでよく混ぜておく。
②液体を粉類に加えて、スムーズになるまでよく混ぜる。
③フライパンにオイルかバターを薄く引き、片面ずつ焼く。
これは普通の分厚い日本のパンケーキのレシピです。レシピはなんでもよかったのですが、ほかのヨーロッパの国と比較するのに、明らかに違う、というのを見せたかったので、そこを重視してレシピを作ってみました。
バターとはちみつやメープルシロップをかけて食べるのがスタンダードだと実演したので、ちゃんと比較できたかな、とかなり満足しています。
3か国のパンケーキ、いかがだったでしょうか?
実はフランス式のパンケーキ(クレープ)も教えてもらったことがあります。
フランス式はイギリスのものとほとんど同じで、それよりも薄く生地を焼いていました。ジャムやヌテラなどを薄く塗って1/4に折り畳み、フォークとナイフでいただきます。
パンケーキ・デーは日本の文化ではありませんが、今年はパンケーキ・デーを楽しんで、その後40日あまり、禁欲/節制生活をしてみてはいかがでしょうか。
私はせっかくの機会なので、習慣になってしまっている夕食後のデザートを我慢してみようかと思っています。
では、よいレントを!
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